二百数十万円分のタクシー運賃 収賄容疑 特許庁技官の志摩兆一郎容疑者とNTTデータ部長、沖良太郎容疑者を逮捕

 特許庁の業務システム計画を巡る内部情報を提供する見返りに、NTTデータ(東京・江東)部長から二百数十万円分のタクシー運賃の支払いを受けたとして、警視庁捜査2課は22日、同庁技官で先任審判官の志摩兆一郎容疑者(45)=神奈川県小田原市千代=を収賄容疑で逮捕した。また、同社第1システム統括部統括部長兼営業担当部長、沖良太郎容疑者(45)=江東区大島8=を贈賄容疑で逮捕した。

 同課によると、志摩審判官は「間違いない」と容疑を認め、沖部長は「弁護士と相談して話す」と供述しているという。

 志摩審判官の逮捕容疑は2005年8月~09年11月、特許庁が導入するコンピューターシステムに関する情報を漏らす見返りに、謝礼として約70回にわたり沖部長からタクシーチケット約二百数十万円相当を受け取った疑い。

 志摩審判官は沖部長側から飲食接待を繰り返し受け、タクシーチケットは帰宅時に沖部長から受け取り使用していた。

 同課によると、特許庁は特許の出願処理などに同社のシステムを使用していたが、04年10月にシステムを全面的に刷新する「業務・システム最適化計画」を策定した。

 06年11月には同計画に基づいて新システムの一般競争入札を行い、同社など3社が応札した。NTTデータの入札額約147億4千万円に対し、東芝ソリューション(東京・港)が94億5千万円を提示し落札。ただ、開発が遅れているため、新システムの導入には至っていない。

 キャリア技官の志摩審判官は01年4月~04年10月、同庁情報システム課で計画を担当し、沖部長に進ちょく状況を教えたり、内部資料を渡したりしていたという。05年4月には特許出願を審査する上席審査官、09年4月に異議申し立てなどを審判する審判官(課長補佐級)に昇格したが、不正な癒着は続いたという。

 職員の逮捕を受け、特許庁の細野哲弘長官は22日、記者会見を開き、「誠に遺憾。深くおわびを申し上げたい」と陳謝した。同庁は今後、法律や情報技術の専門家らで作る第三者委員会を設置し、再発防止に取り組む。

 NTTデータは「社員が逮捕されたことは誠に遺憾。警察当局の捜査に全面的に協力する」とのコメントを出した。

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